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謹賀新年 [写真 カメラ]

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2011年 

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景福宮勤政殿や慶会楼、昌徳宮弘化門、そして宗廟の正殿と、王室最高級建物の
屋根にはまず間違いなく「雑像」と称される装飾物が一列に並んで立っている

装飾と魔けを兼ねたもので、建物の地位と風格によって数が異なり、一般的に
5、7、11など奇数で(中国は偶数)西遊記の登場人物が並んでいると言われる

この中でも一番先頭の雑像は正体が「大唐師父」すなわち、唐の著名な求法聖人
三蔵法師「玄奘」とされてきた(玄奘、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、麻和尚の順)

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今年の年賀状 「魔除の雑像」韓国 景福宮にて

だが、韓国古建築専攻、金鴻植(キム・ホンシク)明智大建築大学教授は実際の
雑像と関連文献記録を検討した結果、この雑像は玄奘では無く孫悟空である事が
確認されたと明らかにした

彼によれば宮廷雑像の様々な種類を羅列して、その一番前にある装飾瓦を玄奘に
設定するのは1920年に出た「像瓦図」という建築関連本から始まった
だが、実際の宮廷建築で確認したこの雑像は、鎧を着て編み笠をかぶり石に似た
椅子に腰掛けて足を広げ、手は膝にのせた姿だった

景福宮勤政殿で確認される雑像を見れば、モンゴル式編み笠をかぶり耳を覆って
背中で紐をしっかり縛った鎧を着ている、この様な特徴を取り上げた金教授は、
「三蔵法師玄奘が鎧を着ていると言うのは普通の事か」と問い直した

それと共に、金教授は1647年に出た昌徳宮修理報告書「昌徳宮修理都監儀軌」で
様々な雑像の名前で、ソン行者(又はソン行者妹)、俊犬(又は俊狗)、馬龍等
を取り上げて論じ、玄奘は全く見られないという事実を重視した 

したがって、金教授は実際の雑像に見られる特徴と、この様な記録を考慮する時
問題の雑像は孫悟空であって玄奘ではないことを知ることができると強調した

朝鮮時代建築物の雑像に、この孫悟空の他にも猪八戒のような西遊記に登場する
素材を使った理由は、朝鮮時代この小説が広く読まれた為と金教授は付け加えた

朝鮮時代の宮廷建築資材の中でも雑像を初めとして、そのまま流してしまうのが
常である各種瓦に注目し、それを分類して、そこに現れる模様を細心に分析した
「朝鮮時代宮廷の鬼瓦の文様と飾り瓦」に著者金教授はこの様な主張を含めた


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