- お食事
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恒見地区の漁業者が1980年代に広島や宮城に足を運び、持ち帰った養殖技術を磨き上げてきた豊前海一粒かき。今では福岡県内外から養殖業者が視察に訪れるほどで、カキ好きならぜひ舌で確かめてほしい北九州の冬の味覚だ。
空港が育む 工業都市・北九州の意外な名産「カキ」
北九州市東部沖から大分県北部沖に広がり、「豊前海」とも呼ばれる周防灘の一部海域。豊前海一粒かきは福岡県内の漁業団体が2009年に商標登録したブランドカキで、豊前海のうち同市東部から同県豊前市までの海域で養殖されるものを指す。毎年12月から翌年3月にかけて産地の沿岸に立ち並ぶカキ小屋などで味わえる。
特に北九州市内ではこの時期、カキやワタリガニなどが水揚げされる漁港を経由して観光名所の門司港レトロ地区と北九州空港を結ぶ「北九州カニ・カキロード」沿いなどに直売所やカキ小屋が登場。その数は約40軒に上り、工業都市の冬の風物詩となっている。
早く大きくなるカキの成長を促す 最大の「功労者」は実は北九州空港 だ。空港島が巨大な防波堤の役割を果たして陸側の海域は波が穏やかになるため「殻を開いてエサを食べる時間が長くなり、成長も早くなる」という。
古くからの街並が続く カニ・カキロード
この海域に貫山など山や森に源を発する4本の川から、エサとなる植物性プランクトンを豊富に含む水が流れ込む。海水の塩分濃度もカキの養殖に最適で、空港島から陸側には約100枚の養殖いかだが浮かぶ。北九州市産の水揚げ量は年間1千トン前後に達し、一粒かきのうち約8割を占める最大の産地となっている。
曽根干潟の一粒牡蠣
ただ、我家はカキが食べられない... なのでカニ