Vanishing Point(1971)
- アメリカ車
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四十五年前の今日、1971. 7.17 日本公開(「続・猿の惑星」との二本立て興業だった)
Vanishing Point に出場する車の話 自動車評論家 星島浩
映画の最初から最後まで、一台のダッジ・チャレンジャーが主役というのも、実に面白い設定だ。
この白いダッジ・チャレンジャーはタイプR / T。映画の中でも、ハイウェイ・パトロールの手配の声が、
何回も「 70年型 白いダッジ・チャレンジャー」と呼ぶ。
ダッジ・チャレンジャーは、69年9月に発表されたスペシャルティカー。スペシャルティカーと言うのは、
どのカテゴリーにも属さない特別なクルマの意味がある。フルサイズ、インターミディエイト、コンパクト、
サブ・コンパクト ー これは車両寸法、ホイールベースの長さから来たクルマのカテゴリーだ。
夫々のカテゴリーには、車両寸法にふさわしい大きさのエンジンを搭載し、車格と言う様な物が出来ていた。
スペシャルティカーはそんな常識を破って、どのカテゴリーにも属さないクルマとして誕生した。
車格意識を超越したわけだ。
車両寸法から言えば、コンパクトカー並みだが、エンジンはV型 8気筒、5.2リッターが標準で、映画に登場した
R / Tは 6.4リッター、325馬力と言うパワフルな物を積んでいる。
アメリカ乗用車の殆どがそうである様に、これもトルコンが装備されているが、これだけパワプルなエンジンだと
トルコンが故にスポーティではないと言うイメージは全くない。
前輪はディスク・ブレーキ。スピード・コントロールや、各種のパワー・アシストも付いている。
ロングフード、ショートデッキ、傾斜の強いウインドシールドで空気抵抗も小さいから、260キロは軽く出る筈だ。
ムスタング、カマーロ、クーガー、ファイアバードなどが登場し、人気を博したのはご承知の通り。
しかし、ビッグ・スリーの一角、クライスラー社からは、このチャレンジャーがやっと出たと言う感じだった。
Dodge Challenger(1973) 1973. 9.30 gop撮影(幕末古写真ジェネレーターで加工)
兄弟車 Plymouth Barracuda 'Cuda / convertible (Chrysler 1971年 総合カタログより)
Design : Carl Cameron
二代目 Challenger:ギャランΛベース(1978)
昭和四十六年、夏休み鑑賞