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一年を表す365個の白張提灯を半球型に組立て、上に延びた竿に月を示す十二個の提灯を取り付けた祭り舟。熱田まつりの夜、一年の無病息災を祈り、五艘が東海道 宮宿「七里の渡し」に浮かぶ。
但し、七里の渡しの巻藁舟は昭和四十八年(1973)限りで中止となり、熱田神宮境内に飾り付ける「献灯まきわら」となった。写真は五十年前(1973.6.5)最後の巻藁舟。
毎年六月五日は古くから熱田神宮境内にある摂社 南新宮社の「熱田天王祭」と呼ばれる祭祀が行われる日。平安時代の寛弘年間(1004~1012)疫病が全国に流行、熱田でも倒れる者が増え、旗や鉾を捧げて祓い清めたのが熱田天王祭の起源。その後、文明年間(1469~1487)には高さ十二間(約 21.6m)の豪華な大山車や車楽を建造し祭礼が行われる様になり、天王祭或いは大山祭と称した。
しかし明治三十年代、町に電線が引かれると 20mを超える山車が使えなくなり、明治三十九年から「七里の渡し」に巻藁船を浮かべる祭礼となった。 明治四十三年(1910)巻藁船は五艘組になり、昭和二十四年(1949)には例祭の熱田まつりが天王祭と同日開催となる。