Marcos 1600GT (1968)
後ろに元式場ポルシェ904が見える
マーコスはCG 1971-6 表紙に載った車そのもの、 以下、同誌より
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この車が発表された64年当時のレーシングスポーツ、ビッザリーニやフェラーリGTOの
プロポーションを取入れ、長いノーズ カット オフしたテールで それを強調したボディは
1140mmと低く、地を這う奇怪な獣の印象を与える
おそらく マーコス の成功の要因はこのスタイリングにあったのだろう
イギリスでもたとえ キットパーツでもライバルに比べて決して 安価とは言えず、
作りも優れないマーコスがそれなりの市場を勝ち得たのは、スリークだが あくの強い
人目を引くボディ・スタイリングが最大の魅力であったためと言えよう
波を打った FRP のドア、レギュレーターなどなく、グラス に付いた取っ手を持ち上げ
スライドさせるサイドウインドー等は、小ワークショップの スペシャルじみてはいるが
室内は完全な高級GTのそれである
シートのバックレストは 構造上重要な役割を果しているため、その上に載った シート
自体は固定で代わりにダッシュの ダイアル回転させる事によって、リンケージを介して
ペダルを 前後に移動(50mmほどだろうか)させる事でこれを補っている
いずれにしても極めて低い全高ゆえ シートはレーシング マシーン並みに寝ており
(これでもヘッドレストをカバーする為には シート床は フロア面より低く、うっかり
すれば ドライバーはお尻を擦りむきかねない)垂直に近い小径ステアリング ホイールは
ドライバーに ジャッキー・スチュワート並みのドライビング・ポジションを強要する
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古き良き英国バックヤードビルダー、ロータスになれなかったマーコス