過ぎゆくもの 鉄博にて
- 関東 鉄道
過ぎゆくもの 鉄博にて
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内田百閒著「特別阿房列車」福武書店刊
阿房(あほう)と云ふのは、人の思はくに調子を合わせてさう云ふだけの話で、
内田百閒著「特別阿房列車」福武書店刊
阿房(あほう)と云ふのは、人の思はくに調子を合わせてさう云ふだけの話で、
自分で勿論阿房だなどと考えてはゐない。用事がなければどこへも行ってはいけないと云ふわけはない。
なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。
用事がないのに出かけるのだから、三等や二等には乗りたくない。汽車の中では一等が一番いい。
私は五十になった時分から、これからは一等でなければ乗らないときめた。
さうきめてもお金がなくて用事が出来れば止むを得ないから三等に乗るかも知れない。
しかしどっちつかずの曖昧な二等には乗りたくない。
如何にも百閒先生
用事がないと云ふ、そのいい境涯は片道しか味はへない。だから一等で行こうと思ふ。
なぜと云ふに、行く時は用事はないけれど、向こうへ着いたら着きっ放しと云ふわけにはいかないので、
鉄道博物館ステンドグラス 山本容子作「過ぎゆくもの」
なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。
用事がないのに出かけるのだから、三等や二等には乗りたくない。汽車の中では一等が一番いい。
私は五十になった時分から、これからは一等でなければ乗らないときめた。
さうきめてもお金がなくて用事が出来れば止むを得ないから三等に乗るかも知れない。
しかしどっちつかずの曖昧な二等には乗りたくない。
如何にも百閒先生
用事がないと云ふ、そのいい境涯は片道しか味はへない。だから一等で行こうと思ふ。
なぜと云ふに、行く時は用事はないけれど、向こうへ着いたら着きっ放しと云ふわけにはいかないので、
必ず帰って来なければならないから、帰りの片道は冗談の旅行ではない。
さう云ふ用事のある旅行なら、一等になんか乗らなくてもいいから 三等で帰って来ようと思う。
1950年10月22日~23日 特急「はと」東京-大阪往復旅行記
東山公園にて 本物の151系も乗った
さう云ふ用事のある旅行なら、一等になんか乗らなくてもいいから 三等で帰って来ようと思う。
1950年10月22日~23日 特急「はと」東京-大阪往復旅行記
東山公園にて 本物の151系も乗った
鉄道博物館ステンドグラス 山本容子作「過ぎゆくもの」
http://www.galleriagrafica.com/exhibit/detail/08/03yamamoto.html
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/081012/art0810120828001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/081012/art0810120828001-n1.htm
参考サイト
遠回りの人生を楽しむ 安芸洋助
http://www.jmca.net/booky/takeshita/miya12.html
阿房列車 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E6%88%BF%E5%88%97%E8%BB%8A
遠回りの人生を楽しむ 安芸洋助
http://www.jmca.net/booky/takeshita/miya12.html
阿房列車 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E6%88%BF%E5%88%97%E8%BB%8A